【福島の家づくり】外皮計算、一次エネルギー消費量計算は絶対に自社で!

   

こんにちは!
担当の渡辺です。

先日facebookページへタイトルにもあります各種計算について少し書かせていただきました。
今日は深堀版をお届けさせていただきます。
まずはfacebookページへ投稿した記事を。
ご覧になっていただいている方は飛ばしてください。

・・・・・・・以下転記・・・・・・・・・・・・・
【これから新築、断熱改修をご検討中の皆様へ】
一次エネ消費量計算結果を計算代行してもらっている業者さんに注意!

こんにちは!
渡辺です!

いつも弊社Facebookページをご覧になっていただき感謝いたします!
(毎週閲覧数やクリック数の通知がきていて…わかるのです)

省エネ基準適合”説明”義務化が始まるところで、気に留めて頂きたい点や引っ掛かりがあったので投稿させて頂きます。
#ホームページのブログで
#深掘り予定してます
#よろしくお願いいたします

省エネ基準やZEHの適合を確認するためには、外皮計算や一次エネ消費量計算などは必須となります。
この計算はもちろん工務店もハウスメーカーも手掛けることが可能ですが、”やったことがない””面倒”などを理由に建材屋さんや代行業者さんに計算依頼をしているところが多いようです。
(省エネ基準適合説明義務となったことで突然湧いて出た厄介ごとのように捉えているところも)

代行してもらうことが違反ではないのですが、性能や仕様、コストなどを説明しなければならない工務店側が計算方法や結果と仕様の結びつきを理解していなければ、よく耳にするコストバランスやコストパフォーマンスをどうご提案するのだろうかと。

設備だけではなく、間取りでも計算結果は変わるので、特にZEHをご検討の方々には図面打ち合わせの段階からこの辺りの有利不利を含めてお話を進めて頂けたら最後の最後に”あれっ”ということにもなりにくいのではないかと。。

というのも数年前、私もこの外皮計算や一次エネ消費量計算に不慣れな頃、「太陽光発電はこれ以上はのらないし…あと2%削減しないとZEHが…」という経験があって、何とかZEH認可を取れた経験をしたことから理解が深まってきた経緯があるのです。

自分で何件も図面と計算書と向き合って、数字をいじり続けてようやく仕様:数字:コストが少なからずお打ち合わせの場でお話できるようになりました。
作り手が楽な道を選んで、建主様に良いご提案ができるわけありません。

是非、住宅のご担当者自身もしくは自社にて計算などを行っているか伺ってみるのがよろしいかと考えます。
本当に、長い目で見ればものすごく大切なコトに繋がるので。

全ては建主様に還元される話でしたので、こちらにも投稿させて頂きます。
さらに深掘りは、弊社ホームページ内、スタッフブログに後日投稿いたします。
裏話や闇なども書いていこうかなと。

今後ともよろしくお願いいたします!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

このような投稿をしておりました。
今日は、自社ホームページ内ですので裏話や闇系です。

例えば、弊社の断熱気密処理の下準備の画像をご紹介します。

1枚目の画像は外部から内部に入ってくるボルトをウレタンで覆っています。
屋根のすぐ下のシートの境目、肌色っぽい処理した跡があります。
この部位だけではないのですが、基本的に内と外に跨っている金物は全部こうしないと結露します。
空気も動くので気密も確保できません。
「熱橋(ヒートブリッジ)」と呼ばれる所で、熱がたくさん動いてしまうことで結露の心配がある場所です。
鉄製品は非常に熱を伝えます。アルミサッシが無くなって、樹脂窓化していくのも同じです。
だから全て覆ってしまいます。暑い日にグラスに水滴がつくのと同じ現象があちこちで起こります。
【闇】
某大手メーカーさんで、ゼロエネ住宅もバンバン建築している鉄骨系のところありますよね。何社か。
鉄骨系の、金属の構造体です。しっかり断熱施工されていたとしても構造体が鉄なわけです。
#断熱材も普通でしたが
温まるし冷える。部屋の熱を構造体がドンドン捨てている原因だとしたらどうでしょうか。
ホームページを観てもアルミサッシに比べて高性能なアルミ樹脂複合は・・・など書いてあって、
金属は断熱的な観点で不利なの説明してるのに構造体は?となるんです。
#比較対象がアルミ単板ガラスのサッシでしたが
#リクシルではアルミサッシの販売中止らしいです
#その〇〇倍の性能!ってアリとゾウの戦いみたい

2枚目の画像は床の合板下地と柱の部分にある隙間です。
床断熱でしたら確実に埋めないと気密取れませんが、この現場は基礎断熱で床下と部屋が空間的に繋がっていてもOKな場所・・・
に見えますが、気密シートはこの上にかぶせて施工しますので、下から壁面気密ラインの内側へ空気がまわる可能性があります。
もし、冬場の氷点下の日に、暖かく湿度を持った空気が外に引っ張られて・・・心配ですよね。
【闇】
気密性能に関して、基準はありません。
なので今のところ義務化もありません。
これからはとにかく断熱材をふんだんに使った住宅が激増します。
提示されるUA値はどんどん良くなります。
室内と屋外の温度差も大きくなっていきます。
高まる結露リスク・・・
#気密性、C値は大事
#C値=1でも30坪の家には10センチ角の穴がある
#気密性を意識していない家は良くてC値=2前後~と言われている
コストカットをしたり量産型にしている住宅でここの質を担保するのは難しいです。
気密はそこそこで構わないとおっしゃられる施主様に乗っかる工務店さんの存在が一番の闇なんですが・・・
#ウレタンの断熱でも防湿気密シートが実は必要な場合があります
#結露の危険性がある仕様でも検査は通ります
#結露計算の条件は外が0℃で室内が10℃
#低体温症になってしまう

早速話が逸れていきましたが軌道修正をして、UA値の計算、外皮計算についてです。
外皮計算を行うフォーマットはたくさんありますが、求めるものはUA値で同じです。
しかし、同じ仕様でも数値が違うことがあります。
例えばアルミ樹脂複合サッシの性能値は2.33というデフォルト値があります。
全メーカー共通で使える基準値のようなものです。
サッシだけではなく断熱材にも基準値がそれぞれにあります。
この各基準値とは別に各製品にはメーカーが用意した「自己適合宣言書・附属書・試験値」があり、
アルミ樹脂サッシは一般的には2.33ですが、リクシルのサーモスの場合は1.8など各製品ごと個別の性能値、
有利側の性能値を用いてUA値を算出する方法があります。
だとしましたら見栄えも良く現実的な各製品の性能値を落とし込んでいった方がいいかと感じますが、
必ずしもそうとも言えません。
#個人的には多少の経年劣化も視野にデフォルトの不利側で目標値を達成したい

仮にゼロエネ住宅を建築するとして、片方はデフォルト値によって外皮計算を行ったUA値0.5、太陽光6kWの住宅、
もう片方は有利側の数値を用いてUA値0.46、太陽光6kWの住宅があるとします。
どちらも屋根には目いっぱいの太陽光を載せてゼロエネを達成していたら、これは問題の無い話です。
もし有利側の数値を用いてUA値0.46、太陽光6kWの住宅が設備機器など含めた仕様を決める中で、予算が合わなくなってしまった場合、
機器のスペックや断熱性能を落とします。
すると性能が落ちてゼロエネではなくなってしまうかもしれません。
屋根にはこれ以上の太陽光は載せれないとしたら設計変更です。
UA値の計算から全てやり直しになって、場合によっては費用も発生するかもしれません。
デフォルト値の不利側でプランを進めていって、最終的に有利側で確認したら余力がありますので、
もしかしたら設計変更レベルの問題を防ぐことができるかもしれません。
この辺は工務店さんの進め方にもよりますが、何でも余力無しで見た目よく進めるだけが良いとは限らないです。
#福島市の日射量も見直しされたのでそんなに心配ない話です
#言いたいことは工務店さんの理解力が大切
#これまで乗り越えてきたピンチの数々こそが力

以前の投稿にも書いたことがありますが、この仕様ならおおよそUA値はこのくらい、
費用はこのくらい、室温はこのくらいと、自身がご提案するものを仕様変更のお打合せの度に第三者に確認しながら
ご説明するのは果たしていかがなものでしょうか。
数値や性能のお話を毎度持ち帰ってしまう方に「涼しい・暖かい」と言われても・・・
というのが率直な感想です。
「省エネ基準を満たしているので快適です!」
#この一言は本当に信じてはいけない
#省エネ基準は最低限の努力目標値

業界や市場がどう変化するのか注目しながら、私は私なりに今後とも住まいづくりを追及して参ります。

最後になりますが、たくさんのお問い合わせやご質問をいただき誠にありがとうございます。
これからも定型文は使わずに、ひとつひとつのお話にご対応をさせていただきます。
よろしくお願いいたします。

(株)渡辺工務店
渡辺一紘