構造見学会を行いたい理由~施工業者の腹の内~

   

こんにちは!
担当の渡辺です!

先日より予約を開始しました構造見学会ですが、ご予約が入り始めました。
本当はもっともっと大々的に宣伝を行いたいところであります。
しかし完全予約制&感染拡大予防等々を考えると、ちょうど案内を見て頂いた皆さまや興味を持って頂いた皆さまに
ご来場頂けるだけで十分ありがたい限りです。
今後も構造見学会は不定期ですが続けていきたいと考えていて、実は完成見学会と同等以上の価値を感じています。

色々と理由はあります。
例えば、先月奇しくも大きな地震が発生しました。
10年前と比べてしまうのもどうかと思いますが、屋根や塀、外壁やタイルなどの修繕が必要になってしまった住まいは多いです。
昨今、弊社でも構造計算を用いた住宅、耐震等級3の施工を行わせていただくようになりましたが、損傷が見えないレベルか本当に軽微です。
特に構想計算を行っていない建築基準通りの住宅でも大きな損傷はありませんでしたが、補修箇所が発生しているかどうかがすごく大きいと思うのです。
地震はいつ発生するか未だに予測ができません。
発生するたびに住まいは少なくともダメージを蓄積していきます。
今回はジャブだったかもしれないです。後々に大きく響く可能性があるということになります。
ジャブを受けても動じない鍛え上げられた体が耐震等級だと思います。

軽微な補修でも数万円かかる場合があります。部位や内容によっては10万単位がかかります。
新築の際に仮に計算費用で20万円、金物や鉄筋の使用量で30万円アップしたとして50万円。
このコストアップで地震に負けない屈強な体を手に入れておくことが一番の備えではないでしょうか。

この耐震性という部分を大局的にみると大手ハウスメーカーに比べ工務店はまだまだ劣っているのではないかと感じます。
工務店は基準を満たした先は経験則に基づいた考えが取り入れられ、実際の耐震性がどのくらい向上したのかは確認できません。
大手ハウスメーカーになると自社のルールや型式認定というものがあるため、少なくとも耐震等級2や3を意識した設計がされていると
思います。(等級3相当などの文言をよく見かけますが、これは正式に3ではないためご注意ください)
工務店の多くは耐震等級というものに全然意識が向いていないのが現状です。
それよりも何故かコストを下げる方に意識がいっています。
一体作り手は何を考えことが大切なんでしょう?
これが構造見学会を行いたい理由のひとつです。

もう一つは断熱気密施工の施工精度を見ていただきたいからです。
断熱性能を向上しようと高価な材料を使うことに決めても、しっかりとした施工ができないと本当に性能が発揮されません。
特に繊維系断熱材(グラスウールやロックウール、羊毛など)は比較的安価で使いやすいですが、現場で敷き込み際に少しのたわみや
押し込み、逆に少しでも寸足らずになってしまうと本来の何割も性能が低下してしまいます。
断熱材は入れてしまえば暖かくなるのは間違いないですが、期待通りの効果が得られるかはまた別問題です。
書面上も含め断熱性能の良い家をお求めになっていただくことは大切です。
だからこそ期待する能力をしっかり発揮するための施工を見ていただきたいのです。
こういった施工が行えると気密性能も向上しないとおかしくなります。
ですので、高断熱中気密なんてものは存在することができないということもご理解をいただけると嬉しいです。

最後にもう一つありまして、それは作り手側の気持ちです。
もう完全に見えないお話となりますが・・・
どの工程においても大工さんをはじめ本当に多くの方が工事に携わります。
施工精度をご覧になっていただく中で「何かちがうな」と思っていただける現場にすることは本当に皆の気持ちが無いとできません。
これは本当に肌感覚かもしれません。
ですが良い現場には確実にそういう感じが出るんです。
毎日現場の掃除をして綺麗にしておくことも大切ですが、少し違う何かが出るような現場になって欲しいなと皆で思いながら進めております。

現場の中間時をご覧になっていただくと、完成現場よりも作り手がどこまでのものを求めているのか分かりやすいのではないでしょうか。
だからこそ中間時の構造見学は少ないんですけど・・・(できればやり過ごしたい何かがあるのか)
ウソを言ってお仕事をいただいても、できなかったらバレてしまうだけなので、自分は今できるベストの1つとして今回の
構造見学会の開催を決めました。

まだもう少し枠はございますので、ご予約のご連絡をお待ちしております。
よろしくお願いいたします。

(株)渡辺工務店
担当 渡辺一紘